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2018.04.30

モノを持たない消費“サブスク”が回す世界の未来
高級車からカミソリまで「サブスクリプション」が消費行動を変える

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5~6年程前から流行り始めたサブスクリプション、略して「サブスク」サービス。従来の「買い切り」型と異なり、製品やサービスの“利用権”を一定期間借り受け、その期間に応じて代金を支払う仕組みのビジネスモデルだ。サブスク、では今一つピンと来ないという方にとっても、「月額課金制」や「月額定額使い放題」は耳馴染んだ言葉だろう。

例えば、「Spotify」や「Apple Music」に代表される定額制の音楽配信サービス。そして「Hulu」や「Netflix」といった定額制動画配信サービスは、代表的なサブスクリプションサービスだ。

こうした配信サービスの台頭により、数年前までは足繁く通っていたレンタルショップに全く行かなくなった、CDやDVDを買わなくなったという読者もいるはずだ。

Microsoftの「Office」シリーズや「Photoshop」をはじめとするアドビシステムズの製品群など、普段仕事で使うソフトウェアがサブスクリプション型の販売方式に移行した際は大いに戸惑った、という方もいるだろう。

フリマアプリ「メルカリ」の大ヒットからもわかる通り、人々の消費意識は「所有」から「共有」へと大きくシフトしている真っ最中。シェアリング・エコノミーと呼ばれる「共有」経済圏が築かれつつある。

サブスクリプションサービスの中には、シェアリング・エコノミーの考え方に通じるものも多い。シェアリング・エコノミーは「モノ」消費から「コト」消費への転換を人々に広めている。そして、サブスクリプションサービスもこの「コト」消費だからだ。

最新事例を見ながら、人々の消費行動の変化を考察していこう。

ファッションや家具、車に男性用のカミソリまで

まずはファッション。男性向けのサービスも存在するが、やはりこの分野は女性ターゲットのサービスが強い。

月額5,800円(税別)から服が借り放題な「MECHAKARI」や、月額2,500円(税別)で何度でもアクセサリーを借りられる「スパークルボックス」。月額6,800円(税別)で有名ブランドのバッグを何度でもレンタルできる「ラクサス」などが存在する。

ファッションの流行り廃りは激しい。高価な服を購入して何度も着回すより、レンタルで良いから常に最新トレンドの服を着ていたい、という若い女性の需要は大きいのだろう。今後いっそうフリマアプリとの差別化を図っていく必要はあるのだろうが、ニーズが無くなることはなさそうだ。

また最近では家具ベンチャーの「KAMARQ」が、同社の家具を月々約500円から利用できるサブスクリプション型販売サービスを開始し、話題を呼んだ。

「KAMARQ」のサブスクリプションサービスで利用できる家具の一例 (写真はプレスリリースより引用)
「KAMARQ」サブスクリプションサービスの利用方法 (画像はプレスリリースより引用)

自動車業界でもサブスクリプションは注目の的だ。2016年8月18日にリリースされた「NOREL」、今年1月15日に公開された「カルモ」のほか、ボルボやポルシェ、レクサスのようにメーカー自らサブスクリプションサービスを提供する企業も登場。サブスクリプションサービスが業界内で一つのトレンドとなっていることがわかる。

様々な理由から「最近の若者は車を買わない」と言われるようになって久しい。しかし利便性の面からの需要はもちろん、憧れの高級車を安価に必要な時にだけレンタルできるのならばぜひ利用してみたい、と思う若者は確実に存在するだろう。車を「持たない」若者の数は減らなかったとしても、車に「乗れる」若者は今よりもずっと増えるかもしれない。

最後に、昨年11月30日にDMMが開始した「カミソリのサブスクリプション(定期購入)サービス」を紹介しておこう。男性用カミソリの替刃を毎月自宅へ届けてくれるサービスだ。

DMMによれば「サブスクリプションのメリットは、都度購入するより安価で便利」であり、定期的に購入する必要のある男性用カミソリの替刃はそれに適している、とのこと。

利用の流れ(画像はプレスリリースより)

初めはピンと来なかったが、確かに歯ブラシ等よりはサブスクリプション向きの製品だろう。案外こうした一見地味な日用品が、今後はサブスクリプション方式で購入されるようになっていくのかもしれない。

これまで紹介してきたような「シェアリング」的サービスとは性質が異なるが、一度は発表していたシェアサイクル事業への参入を断念するなど、こうした取り組みに関心を示しつつも慎重な姿勢のDMMの動きには、今後も注目しておきたいところだ。

今では身近な物となった音楽や動画の見放題サービスやスマホアプリへの課金も、初めは「見えない物」「手元に残らない物」に代金を支払うことへ抵抗を覚える人が多かったはずだ。

しかし、「モノからコトへ」、「ミレニアル世代は物を欲しがらない」、「ミニマリスト」……。そろそろ新鮮味も薄れてきたフレーズではあるが、この流れは止めらない。

誰もが次々に物を手放し「自分だけの所有物」を減らしていく中、最後まで手元に残る“物”とは一体何なのか、それとも何も残らないのか――。そら恐ろしいような気もするが、見届けていきたい。

JBPRESS

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