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テクノロジー
2016.12.28

「便利で楽しいIoT」市場を先取りするプロトタイプ開発の重要性
連載第1回:クリエイティブスタジオ1→10driveの「楽しいIoT」開発

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一般生活者が日常的にIoT体験をする未来は近い(写真はイメージ)

 この度ご縁があり、IoT Todayに連載することになりました1→10drive(ワントゥーテンドライブ)です。私代表の梅田やCTOの森岡らで書いていく予定ですので、よろしくお願いします。

 さて、IoT Todayの読者の皆さまは、「IoT」にどのような印象をお持ちですか? 「最近ビジネスではよく聞くワードだけど、実は一般生活においてはイマイチ実感がない」という方も多いのではないでしょうか。

 この連載では、そういったイメージを少しでも崩して、IoTをより身近なものに感じていただければ、という視点で書いていきたいと思います。

大手のコアテクノロジーやビジョンを起点にIoT/AIのテクノロジーで協業

 まず簡単に弊社1→10driveについて、ご紹介いたします。

 1→10グループは、クリエイティブとテクノロジーを組み合わせたものづくりをしている企業です。展開領域について、広告プロモーション、IoT等の商品サービス、ロボット、エンターテインメントと、その幅を年々拡げており、来年で創業20年を迎えます。その中で、1→10driveは「IoT等の商品サービス」領域を担当する事業会社で、IoT/AIの潮流を捕える形で昨年設立いたしました。

 「Brand Prototyping」を理念としており、メーカーなどのクライアントの商品・サービス開発をご一緒する際、プロトタイプ開発、あるいはその手前の企画開発から提案・担当させていただくケースが多いのが特長です。

 さて、IoTやAIという単語、ビジネス上の雑談やFacebookのニュースフィードなどでよく見かけるようになりましたよね。もはやバズワードというよりもすっかり定着した感もあり、今後10年単位の潮流をなお捉えているものと思います。

 IoT/AIに関連するテクノロジーの話題も花盛り。領域は多岐に渡り、正直私も追いついていくのが大変です。

 「大切なのは分かっているけど、本業の維持もブラッシュアップもきちんとやらないと・・・(なので手を出したくても出しづらい)」という声もよくお聞きします。

 今、大手メーカーとベンチャーとの協業が多くなってきたもの、そういった背景があるからだと思われます。

 取り組みの形も色々とあるようで、たとえば、ベンチャーの新規技術を買い取り、大手メーカーの基幹技術に組み込んでいくパターンや、両社で協働プロジェクトを立ち上げ、大手メーカーの基幹技術/主力製品を起点に、ベンチャーの応用技術を掛け合わせていくパターン等あります。

 弊社がベンチャーかどうか、という議論はさておき、弊社も後者のパターンです。重要なのは、クライアントの基幹技術、あるいはその手前にあるビジョンやコンセプトを理解した上で、いかにそこにマッチするテクノロジーを選別するか、ということです。これが逆になると上手くいきません。

プロジェクトの方向性をプロトタイプ開発で掴む

 おそらく仕事の進め方や社風も異なる両社の目線をプロジェクト内で合わせていく観点でも、また、大手メーカーが外部と取り組む意味合い(の実感)をより早く掴む観点でも、そして何より両社の協働プロジェクトで成果をもたらす商品開発を具現化する観点でも重要になってくるアプローチが「(ラピッド)プロトタイプ開発」です。

 ラピッドな(ざっくりとして素早い)プロトタイプの開発により、いま進んでいる開発の方向性を、具体的な体験をもって掴むことができます。

各レイヤーのスペシャリスト全員が、ブランド要素すべての開発に関わる

  「ウォーターフォール型」のかっちりとした開発は、確実なプロダクトをつくっていくのにはとても適していますが、不確実性の伴ったチャレンジングなプロジェクトにはやや不向きです。この場合、「触れるモノをつくってみたけど、ちょっとダメかも・・・」という時点では既にかなりの時間と費用を掛けてしまっています。

 一方、「円卓型」(と今、名付けました)では、エンジニアもデザイナーもプロデューサーも、あるいはクライアントのリーダーも、同じテーブルに座り、気軽にブレストを積み重ねます。

プロトタイプに実際に触れながら、ブレストを積み重ねくいく

 同時並行でプロトタイプ(体験モックやラフスケッチ)を開発して、プロジェクトメンバー全員で実際にプロトに触れる体験を共有して、さらに議論を深めていく・・・。このアプローチであれば、軌道修正もしやすく、また実際に使うであろう一般生活者の視点にいち早く立って、進むべき概観を捉えることもしやすいのです。

工場の機能型IoTから生活者のエンタメ型IoT普及へ

 「一般生活者」というワードが出ましたが、現在IoTの主戦場は工場です。インダストリー4.0の掛け声のもと、この「スマートファクトリー化」は、(実益も見えやすいこともあってか)IoTの導入が実際に進んでいるようです。工場内外すべての情報は共有され、機器同士で情報のやりとりをして、カスタマイズされた生産を可能とし、機器と管理する人との連携をも最適化されつつあります。

 この流れの先には、おそらくtoB領域の中でも工場の中から一歩外に出て、商業施設(駅・大型施設・オフィスビル等)でのIoT活用が具体的になってくると思われます。たとえば、スマートロックやデジタルサイネージのネットワーク化など挙げられます。

 他にも、健康デバイスなどが会社から支給される形で普及の兆しが見えてきました。そうなると、一般生活者の目にも触れたり体験されたりする機会も増えてきて、「IoTって便利だね」という評判も根付いてくると思われます。

 そのステップを経てからが、toC領域での便利系IoT普及の本格フェーズとなるのではないでしょうか。

 ただし、普及途上のtoC型IoT市場に先回りするアプローチとして、便利さ以外に「楽しさ」という軸も有り得ると考えており、実際にそういったエンタメ型IoT商品も色々と市場に出てきています。

 その「楽しい」という価値を具現化するためにも、プロジェクトの初期フェーズで触れることのできるプロトタイプを開発し、実際に体験してみることが重要となってきます。

 ということで、toB領域の機能的なIoTについては他の連載にお任せしまして、本連載ではより身近に感じられる、いわば「楽しい方のIoT」について、市場を少し先取りする形でご紹介していきたいと思います。

 次回は、1→10driveも開発プロジェクトに参画している、サンスター「GUM PLAY」について触れていきます。どうぞお楽しみに。

 

<執筆者プロフィール>

梅田 亮

1→10drive(ワントゥーテンドライブ) 代表取締役社長
2002年、早稲田大学理工学部を卒業後、同年に大手広告会社入社。マーケティング部署を経てコミュニケーションデザイン領域へ。マーケティング領域の多様化に伴い、デジタル、PR、プロダクト/コンテンツ開発など、新たな領域を幅広く積極的に取り込み、プロジェクト全体を推進していくチーフプロデューサーとして活躍。2015年、現職に就任。2011年、2013年、2014年クリエイター・オブ・ザ・イヤーノミネートをはじめ、グッドデザイン賞、TIAA、NYFestival、ADFEST、AD STARSなど受賞。また、AdverTimesコラム連載(2012~2013年)他、執筆、講演、審査員など経験多数。

【1→10drive】http://www.1-10.com/drive/

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