私は東京大学理学部植物学教室で大隅博士と同僚だったので、大隅さんの人となりをよく存じ上げている。そして、大隅さんの研究の背景には独創的な研究を大切にする文化がある。10日の授賞式に際し、改めて大隅さんがなぜ独創的なオートファジー研究を開拓できたか、そして“役に立たない研究”がなぜ役に立つかについて考えてみたい。