夜10時、開始のホイッスルが鳴った。そのときドイツでは、3257万人がテレビの前に座っていた。しかし、その11分後、ブラジルチームの混乱は始まった。3点目が入った時、家で試合を見ていた私の耳に、町を走る車がクラクションを鳴らすのが聞こえてきた。遠くで爆竹の音も響いた。前半終了後、すでに勝敗は決していたのだ。5対0、ボクシングなら、ここでタオルが投げ入れられたことだろう。
サッカー王国がサッカーを失った日
ドイツで見たブラジルの敗戦
2014.7.16(水)
川口マーン 惠美
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