知らない人も多いと思うが、日本の江戸時代、彫り物のストラップが大流行していた。それが根付だ。紐を通した根付は、印籠や煙草入れや小袋に付ける実用品だった。片手にすっぽりと収まるこの小さな彫り物のモチーフは、実に多種多様だ。人、顔、動物、植物、虫、仙人や神、鬼や妖怪、ダルマ、橋や蝋燭など、どれも目を疑ってしまうほどの実に見事な仕事をほどこしてある。