普段読まれている「ごん狐」では、撃たれたごんは、兵十に「お前だったのか」と言われて、目をつぶったまま、うなずくだけです。しかし、元の『権狐』では、「ぐったりとなったまま、うれしくなりました」と喜びの感情が込められているのです。まるで、撃たれて本望を遂げたようです。