カネ回りがよくなればすべてがうまくいく――。そんな経済至上主義を追求していたように思えなくもない。 ヒラリー・クリントン国務長官がまもなく国務省を去る。2008年の大統領選でバラク・オバマ大統領と民主党の指名候補争いで破れたが、オバマ政権が誕生すると国務長官に就任。過去4年で80回近い外遊をこなした。これは歴代の国務長官(4年)として最多記録である。 約150万キロ(95万マイル)近くも世界中を飛び回るという足で稼いだ外交は、ジョージ・W・ブッシュ政権で失墜した米国の信頼の回復に寄与した。クリントン長官の功労を関係者に聞くと、ほとんどの人が「よくやったと思う」と返答する。 ただ意外にも、ワシン