チャイコフスキーはロシアの音楽の歴史の中で、自我の宇宙を無限に拡大しながらも、自分の足元に関してはほとんど意識することがなかった稀有な存在と言えるでしょうね。その意味で、ロシアという枠組みの中でチャイコフスキーは飛び抜けて異端だった。