本年7月10日、ビザなし交流で北方領土を訪ね、択捉島天寧村に近い丘の上から単冠湾(ヒトカップ湾)を望んだ。 濃い霧で全貌が見えない代わりに、昭和16(1941)年11月26日に、ここから真珠湾に向けて出撃していった海軍機動部隊約30隻が択捉島の雪景色を背景に投錨し、出撃準備に余念のない各艦の間を小型艇が忙しく行き交う姿を思い浮かべた。 私にとってビザなし交流は、昭和16年以来の日本を振り返る旅でもあった。 当時の連合艦隊の動きを振り返ってみたい。11月5日付大海令第1号により、12月上旬開戦の作戦準備が下令された。 11月17日佐伯湾の機動部隊旗艦「赤城」艦上で壮行会が挙行され、山本連合艦隊司