総務省が1日に発表した3月の全国消費者物価指数は、生鮮食品を除く総合(CPIコア)が前年同月比▲0.1%となり、2007年9月以来、1年半ぶりにマイナスになった。弊社予想通りの数字。市場の内外で、「デフレ」認識は一層強まる方向にある。

 3月の全国CPIコアを品目別に見ると、「ガソリン」「教養娯楽用耐久財」などがコア前年同月比を押し上げる方向に、「生鮮食品を除く食料」などが押し下げる方向に、それぞれ寄与した。図表からうかがえるように、CPIコアが今回マイナスに転落した原因は、「生鮮食品を除く食料」のプラス寄与縮小でほぼ説明できる。

 3月の食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合、いわゆる欧米型CPIコアは、前年同月比▲0.3%で、前月の▲0.1%からマイナス幅を拡大した。また、季節調整済指数は、コアが101.0(前月比横ばい)、欧米型コアが99.1(同▲0.1%)。後者は過去最低水準に横並びとなっている。後述する都区部4月分の結果から見て、次回4月分では99.1よりも低い水準となり、過去最低を更新するのは確実な情勢。物価の「ベースライン」とも呼ぶべき部分は、着実に沈みつつある。

 同時に発表された4月の東京都区部CPIコア(中旬速報値)は前年同月比 0.0%で、前月
の同+0.4%から大きく水準を切り下げた。品目別に見ると、「ガソリン」「被服及び履物」
「自動車保険料(自賠責)」などがコア前年同月比を押し上げる方向に、「生鮮食品を除く食料」「外国パック旅行」「電気代」「都市ガス代」「家賃」「航空運賃」など幅広い品目が押し下げる方向に、それぞれ寄与した。