(英エコノミスト誌 2009年4月18日号)
欧州連合(EU)は中国にどう対応するかについて合意できずにいる。
ブリュッセルでのディナーパーティーを台無しにする手っ取り早い方法がある。世界の統治は、欧州諸国が最大で議席の半分を占領するG20、G7、G8その他の協議機関の枠組みをすり抜けつつあると進言するだけでいい。
そして、重苦しい調子で、未来はG2――中国と米国によって構成される架空の機関を指す新たな流行語――の手の内にあると言うのである。
欧州の将来の権力に関する公の場での得意気な言動とは裏腹に、欧州諸国は、蚊帳の外に置かれる恐怖に苛まれている。とりわけ、中国が欧州連合(EU)に興味がないかもしれないという考えは大きな痛みをもたらす。
フランスのジャック・シラク前大統領(左)は中国の台頭を歓迎していた〔AFPBB News〕
何しろ、21世紀は本来、もっと違ったものになるはずだった。実際、フランスのジャック・シラクのようなかつての指導者たちにとっては、台頭する中国は米国の覇権に挑戦するもう1つの勢力として歓迎された。
それが、EUが大きな役割を担う「多極化した世界」をもたらしてくれると考えられていたのである。
もしそれが、中国の要求の前にぬかずいて、台湾を避け、ダライ・ラマを冷遇し、人権の不正使用に対する非難を抑えることを意味するのなら、それはそれで仕方がなかった。
大半のEU諸国は中国との商業外交を重視し、自国の指導者の訪中が必ずカメラのフラッシュを浴び、うまみのある契約を結ぶ形で終わるように務めた。
一方、欧州の対中貿易赤字は昨年、1700億ユーロ(2500億ドル)近くまで膨らんだ。EUのシンクタンク、欧州外交評議会(ECFR)が最近まとめた欧中関係に関する痛烈な監査報告書は、中国は欧州企業に対して無数の障壁を築いている、と指摘している。
この傾向は不吉である。中国は、5年後には中国製の新車の部品の60%を国内生産したいと考えている。これは、自動車部品、工作機械、その他製品のおかげで欧州最大の対中輸出国となっているドイツにとって警戒すべきニュースだ。
例によって例の如く、欧州諸国はどう対応するかについて意見が割れている。
一部の国は、中国に政治的に挑戦することに前向きだ。例えば、ドイツ、英国、スウェーデン、オランダなどである。だが、これらの国々は概ね、自由貿易主義者であるため、中国の不正行為疑惑に対して他国が保護主義を求めた場合には、敵対的な立場に立つことになる。
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