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富裕層の勃興と転落:標的にされる金持ち

2009.04.06(Mon) The Economist

The Economist

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(英エコノミスト誌 2009年4月4日号)

銀行幹部らを徹底追及することは、政治家にとっては魅力的だ。だが、それは社会全体に危険を招く行為である。

G20抗議デモで1人死亡

G20サミットに対する抗議デモでは大手銀行の窓ガラスが割られた〔AFPBB News

エジンバラでは銀行経営者の家の窓が石で割られ、フランスでは企業幹部が労働者らに監禁された。ワシントンでは既に支払われたボーナスに90%の税を課す法案が提出され、ロンドンではG20サミットに出席する各国指導者たちが到着する中で大規模なデモが行われた。

 今、政治や世界経済に深刻な影響を与えかねない社会の風潮の変化が起きている。

 もちろん、現在の大衆迎合的な反発の動きにおいて、富裕層が唯一の標的というわけではない。不況に怯える民衆は、政治家と中央銀行と移民たちにも敵意をぶつけている。だがやはり、高まりつつある怒りの波は、新興の「超富裕な悪党ども」に向けられている。

 現代の悪人は、セオドア・ルーズベルトが1世紀前に「泥棒男爵」と呼んだ一握りの米国人と違い、人数が多く、全世界に散らばっている。そして、その大半は、財閥や鉄道のオーナーではなく、バンカーとファンドマネジャーだ。

 とはいえ、主題はかつての金ピカ時代の末期に現れたものと似通っている。つまり、格差の拡大である。1979年には、米国人の最富裕層0.1%が下層の90%に比べて26倍の所得を得ていた。その差は2006年には77倍に広がった。

 そして、「強欲な富裕層が、まじめな労働者の正当な分け前を不正にだまし取っている」という感情も、往時と共通する。

 ねずみ講を作ったり、政治家に贈賄して有利な取引を確保するといった、古くからあるお馴染みの不正もある。あるいはもっと灰色の手段もある。金持ちは現金をタックスヘイブン(租税回避地)に隠し、税法を自分に有利なように書き換えている。プライベートエクイティの利益に対する扱いを見れば、弁解の余地はないはずだ。

2つの大きな不正

 しかし、金持ちの振る舞いがこれほど多くの批判を集めているのは、2つの最たる大罪が、制度に組み込まれた形で白昼堂々行われたからである。

 第1の非難は、金持ちが「どっちに転んでも自分が儲ける」資本主義体制を作った、というものだ。トレーダーとファンドマネジャーは他人のカネの投機で莫大な報酬を得るが、彼らが自分の会社を破綻させた場合は、顧客と、最終的には納税者がツケを払う羽目になる。

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