菅首相とオバマ大統領が電話協議、緊密な日米協力を確認

東日本大震災直後に日本に対して支援を表明した米国のバラク・オバマ大統領〔AFPBB News

 3月11に発生した未曾有の東日本大震災に際して、米国のバラク・オバマ大統領は必要な支援を惜しまないという声明をいち早く発表し、空母をはじめとする大規模な支援体制を取った。これは日米同盟の存在をおいて考えられない。

 冷戦という時代もあって、日米同盟は60年にわたって維持されてきた。この間、同盟の危機と言われた時期もあったが、両国の努力で持ちながらえてきた。しかし、民主党政権になってから、大きな転機を迎えている。

 普天間基地移設に関しては日米合意に至るまで長年月を要したが、鳩山由紀夫首相は「トラスト・ミー」とオバマ大統領に大見得を切りながらあっさり反故にした。

 あとを継いだ菅直人政権が元の鞘に納めたが、政権自体が安定せず何の進展も見せていない。日本は投げられたボールをしっかり受け止めなければならない。

「自己責任」が原点

 今年1月8日、米国アリゾナ州選出のガブリエル・ギフォーズ下院議員が支持者と対話集会を開いている会場で銃乱射事件が起きた。議員は至近距離から頭部を撃たれ重態となり、連邦判事ら6人が死亡した。

 アリゾナ州は昨年7月、当局の許可なしに成人は銃器を携帯できるとする州法を施行したばかりである。銃規制反対派の同議員は州法を支持し、自身も拳銃を保持していたと伝えられる。アラスカ州とバーモント州も同様の州法を持っているそうである。

 米国では個人が所持する銃の数は2億丁以上で、年間10万人近くが銃撃され、殺人や自殺なども含めて3万人、1日約80人が犠牲になっているそうである。こうした現実にもかかわらず、思うように銃規制できないのが米国である。

 筆者が1975年に留米した時、最初のガイダンス(説明会)で「銃を持っているか」「持ちたいか(斡旋する)」などが調査項目に含まれていて、「ここは米国だ」と改めて認識したことを思い出す。

 銃による事件では、アブラハム・リンカーンおよびジョン・F・ケネディ両大統領が暗殺され、ロナルド・レーガン大統領狙撃事件も起きた。学校敷地内などで乱射事件や銃による猟奇事件が起きるたびに、市民団体などから銃規制の声が高まる。しかし、これまでほとんどなし崩し的に雲散霧消してきた。

 大義名分は言うまでもなく合衆国憲法修正第2条に明記されている「自由な国家の安全のための人民の武器の保有と携行の権利」に由来している。

 本来は国家の安全に資することが武器保有の趣旨であるが、国家の特質(自然発生ではなく原住民との戦いの中でつくられた国家で、西部開拓など危険地帯に進出するなど)から、基底には個人の安全が不可欠で、「自衛の権利」に基づく「自己防衛」の要があり、それは当然のように「自己責任」に帰着するとしてきたからである。

 この自己責任意識は強固で、国家や個人の安全に関わることは言うまでもなく健康管理(社会保障)についても同様に要求される。