始球式に招かれた日本の森美樹夫NY総領事にマウンドを譲らなかったメッツのマックス・シャーザー投手(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 とりあえず一応の落着となった。現地時間の5月13日に行われたMLBのニューヨーク・メッツ対シアトル・マリナーズ戦の試合前イベント「ジャパニーズ・ヘリテージ・ナイト」で起こった不祥事だ。

 この試合はメッツ本拠地のシティーフィールドで行われたが、プレーボール前の始球式を行う予定だった在ニューヨーク日本国領事館の森美樹夫総領事がマウンドまで歩み寄っていたにもかかわらず登板できないという前代未聞のハプニングが発生。これについてメッツ側が20日付でMLB公式サイトに謝罪する声明文を掲載した。

もしかして「仕方なく」の謝罪?

「Mets statement」と題した文面の中で同球団は森総領事に「不快な思いをさせてしまったことを心から深くお詫び申し上げます」と陳謝。続けて「我々はタイミングとプロセスのミスコミュニケーションによって問題が生じたことに全ての責任を負い、総領事とゲストに将来のゲームでセレモニアルピッチ(始球式)の機会を作って戻ってきていただけることを望みます」ともつづった。

 しかしながら、これで幕引きとなるのは腑に落ちない。一連の騒動が起こってからメッツ側が謝罪文を掲載したのは1週間後のこと。本来ならばもっと迅速な対応を取るべきであり、ここまで時間を要することが理解できない。米国が簡単に謝罪しないお国柄であることは承知しているが、それとこれとは別問題だ。

 今回の一件はどのような観点から見ても、メッツ側に非がある。それがグダグダと引っ張られた挙げ句、遅ればせながら僅か数行足らずの謝罪文掲載でアッサリと終わらせられてしまうのは同じ日本人として非常に悔しくてならない。