「C-130」型輸送機。写真はイギリス軍機(資料写真、2021年8月17日、写真:ロイター/アフロ)

(数多 久遠:小説家・軍事評論家、元幹部自衛官)

 アフガニスタンの混乱は収束せず、今もなお残されている邦人を救出するため、日本政府は自衛隊を派遣する見込みです。

 防衛省は、「C-2」と「C-130」型輸送機の派遣を行うようですが、自衛隊機が攻撃される可能性も指摘されています。米CBSは、ミサイル回避手段であるフレアを焚きながら離陸するフランスの「A400」型輸送機の姿を報じていました。

 以下では、アフガニスタン派遣に際して考えられる危険性や自衛隊の能力について考察してみたいと思います。

自衛隊機を狙う対空兵器

 タリバンは、もともと高度な対空兵器を保有していません。保有が伝えられていたのは、「MANPADS」(Man-portable air-defense systems)と呼ばれる、1人で携行できる携帯式地対空ミサイル(SAM)です。

携帯式地対空ミサイル「MANPADS」のチェックを行う米陸軍兵士(出所:米陸軍)