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「ウェルビーイング」という新しく大きな潮流は、日本人のライフスタイルをどのように変えるのか? また、それに応じてどんな新しい産業や市場が生まれるのか? 消費者目線で社会トレンドをウォッチし続けてきた統合型マーケティング企業、インテグレートの藤田康人CEOが考察していく。(JBpress)

新型コロナが大きく変えた価値観

 ウェルビーイングは、もともと医療や看護、福祉の現場でよく用いられる言葉でしたが、最近はそれ以外の世界でも使われるようになっています。今、なぜウェルビーイングが注目されているのでしょうか?

 大きな要因の1つとなっているのが、新型コロナウイルスです。

 2019年12月、中国の武漢を皮切りに世界中に広がった新型コロナのパンデミックは私たちの幸福と健康のあり方、考え方を大きく変えました。

 私たち一人ひとりの価値観も大きく変わりつつあります。コロナによって自分が生きる意味や働く意味について改めて考えたという人も多いことでしょう。人と会うことが難しくなり、つながりの大事さを改めて感じた人や、地元や家族など、自分の足元にあるものの価値に気づいた人もいるかもしれません。コロナ渦の中での生活は、「幸せ」とは何かを改めて考えるきっかけとなったことでしょう。

グーグルが提唱した「デジタルウェルビーイング」

 コロナ禍によって働き方も大きく変わりました。テレワークが一般的になった現在、仕事とプライベートのバランスをどう取るかより、仕事を生活にどう組み込んでいくかが課題になってきています。