時価総額70兆円のテスラが春を謳歌できた時代はまもなく終わる

交通革命が世界を変える

 石炭経済における蒸気機関車、石油経済における自動車。

 エネルギー革命が交通革命を起こしたときに、生活が、都市が、経済が変わり、文明が変わった。

 同じことが起こる。再生可能エネルギー、私の言葉で言えば、(すべて太陽起源の電力になるから)「太陽電力」で動く電気自動車(EV)が、次の交通革命を引き起こす。

 その時、いまや時価総額が70兆円に達するテスラは、時価総額が8兆円の日本電産に、EVの主役の座を奪われるだろう。

 そして、EVの主力が、自動運転電気自動車(AEV autonomous electronic vehicle)、私の言葉で言えば「自電車」が交通の主力になるときに、新しい「交通革命」が起きる。

 道路を変え、建物を変え、町や村を変え、通信や情報、金融、医療や買い物、教育、つまり、生活全体を変えていく。

 AEV、あるいは「自電車」が交通革命を起こし、交通革命が「都市革命」を起こし、全体の「経済革命」を起こす。

主役交代が起きる

 完成車メーカーからキーコンポーネント企業へ、自動車社会の主役の移動が、これから起きる。

 変化できない企業は淘汰される。2つの先例がある。

 かつて、コンピューターの主役は、コンピューターメーカーだった。

 1968年の映画「2001年宇宙の旅」の「HAL」、1文字ずつずらすと(H→I、A→B、L→M)「IBM」が、メインフレーム中心のコンピューターの永遠の独占企業と見られていた時代が長かった。

 そして、1980年代に、本格的なパソコンの時代が始まった。

 IBM、NEC、富士通、東芝、コンパック・・・。多くの企業が参入して成功を収めた。相変わらず、主役は「PCメーカー」だった。