ドイツ・ベルリンのブランデンブルク門(Pixabay)

(姫田 小夏:ジャーナリスト)

 欧州連合(EU)と中国の関係が強まっている。それを象徴するのが、昨年(2020年)12月30日に、EUと中国の間で合意に至ったと発表された包括的投資協定(CAI)だ。EU企業にとっては中国向け投資の規制緩和、市場へのアクセス改善などが期待される。中国企業にとっても、EU企業のデジタル化、各国のエネルギーインフラ開発などへの参入機会が増えると期待されている。

 EUに加盟する27カ国のなかで協定合意に反対票を投じる国はなく、欧州委員会(EUの政策執行機関)のフォン・デア・ライン会長は「この合意は、中国との経済関係のバランスを再調整するものだ」と述べた。

こじれにこじれたドイツと米国の関係

 米国のトランプ政権は、中国の通信機器大手ファーウェイ・テクノロジーズの製品を使用しないよう国内外に呼びかけてきた。だが、EUではすべての国が従っているわけではない。

 たとえばドイツの通信大手ドイツテレコムは、5Gネットワークの通信設備にファーウェイの製品を使用し続けており、米国の呼びかけには応じていない。