アップル ロゴ(写真:AP/アフロ)

 米アップルが、モバイルアプリ配信ストア「App Store」の中国版で、当局の認可を得ていない数千本のゲームを削除すると、米ウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。

有料ゲームに認可制導入

 中国では、2016年に有料モバイルゲームアプリに認可制を導入した。アプリそのものを有料にしているもののほか、アプリ内課金を導入しているものも対象にしている。

 この規制に従い、中国・華為技術(ファーウェイ)や中国・小米(シャオミ)といったスマートフォンメーカーは自社サービス内で未認可ゲームを削除した。

 一方、アップルはこれまで多くの未認可アプリを容認してきた。しかし、同社は今年になって規則を強化するようになった。今回の報道によると、同社は有料ゲームアプリの運営企業に対し、12月31日までに認可の取得を証明する書類を提出するよう求めた。

 ただ、専門家によると、同国では認可を取得できるアプリはごく一部に限られるという。これにより、まもなく数千本のゲームアプリが中国のApp Storeから削除されることになると、ウォール・ストリート・ジャーナルは伝えている。

当局がネット規制さらに強化

 なぜ、アップルがこれまで未認可アプリを容認してきたのか、あるいはそれが可能だったのか。また、なぜ同社が今年から規則を強化したのかは分からないという。

 しかし、中国当局は今年、ネットの規制に本格的に乗り出し、コンテンツの管理や検閲をいっそう強化するようになった。12月初旬には、サイバーセキュリティー法を所管する国家インターネット情報弁公室が、米旅行サイトのトリップアドバイザーなど約100種類のスマートフォンアプリを排除したと伝えられた。