楽天・石井一久GM2015年11月、MLBパドレスが日本で開催した野球教室でコーチを務めた石井一久氏(左)とパドレスのブランドン・マウラー投手(写真:UPI/アフロ)

 プロ野球のパ・リーグで熾烈な2位争いが繰り広げられている。すでにセ・リーグは巨人、パ・リーグでは福岡ソフトバンクホークスが独走Vでゴールイン。ただコロナ禍の今季はパ・リーグのみクライマックスシリーズ(CS)のファイナルステージが行われることになっており、2位に滑り込めば下克上のチャンスを手にできる。

 4日は4連勝を飾った昨季のVチーム・埼玉西武ライオンズが単独2位に浮上した。この日敗れた千葉ロッテマリーンズは対照的に1ゲーム差で追う展開となり、3位へ転落。9カード連続で勝ち越せておらず直近24試合を6勝17敗1分という異常な急失速により、いよいよ土俵際に追い込まれた。いずれにせよ、CS進出争いは残り4試合の西武とロッテの2チームに絞られる形になった。

楽天・三木監督に「コーチ“降格”説」

 一方、今季117試合目で終戦となったのは4位の東北楽天ゴールデンイーグルスだ。4日のオリックス・バファローズ戦(京セラドーム)で7―8と敗れ、3位以下が確定したためCS進出の可能性が完全に消滅した。5回に3点をリードしながら、その裏に3点を返されてあっさりと同点。8回に勝ち越され、両リーグワーストとなる今季32度目の逆転負けでパ最下位のチームに“引導”を渡される恥辱を味わう羽目になった。

 試合終了直後、就任1年目の三木肇監督の去就について今季限りで交代となる可能性が複数のメディアによって報じられた。その報道によれば、球団とは複数年契約を締結しているものの、来季からコーチなど別のポジションへ配置転換されることも検討されているようだ。仮に現監督がブランクを経ずに現職を外され、同一球団で翌シーズンからコーチへ“降格”となればプロ野球界では異例の人事と評していいだろう。

 しかし、そのような指揮官のクビのすげ替えだけで根本的な問題は本当に解決するのだろうか。今のイーグルスを見ていると、とてもそうは思えない。たとえ三木監督の後釜としてビックリするような大物後任候補の名前が取り沙汰され、後にそのオファーを当人が実際に引き受けたとしても、今シーズンと同じような失敗を繰り返しそうな気がしてならない。