(花園 祐:上海在住ジャーナリスト)

 広告業界大手の電通が今年(2020年)3月に発表した「2019年 日本の広告費」によると、2019年にネット広告費がテレビ広告費を初めて上回り、メディア別広告費で首位となりました 。かねてよりテレビ広告費は年々減少する一方、ネット広告費は増加し続けており、「来るべき時がとうとう来たか」と受け止めた業界関係者も少なくなかったでしょう。

 しかし筆者がこのニュースを知って感じたのは「今さらか・・・」ということでした。というのも、中国では2014年時点で既にネットの広告費がテレビを上回っていたからです。

 それから6年を経た現在の中国では、若者を中心に「テレビ離れ、ネット集中」とも言うべき動きが加速しています。また従来テレビで視聴されていた番組コンテンツも、ネットを介して視聴する形態が定着しつつあります。

 日本でも遠くない将来に同じ動きが現れることでしょう。そこで今回は、広告費を軸に日本のメディア業界の現況を紹介するとともに、中国のドラマ番組の視聴状況を通して、コンテンツ消費の転換について分析したいと思います。

斜陽のテレビ業界

 下の表は電通が発表する直近3年間の「日本の広告費」データをまとめたものです。

日本のメディア別広告費(2017~2019年)
(単位:億円、出典:電通「日本の広告費」)