デジタル化を推進、経営効率を上げることに血道を上げ過ぎると大きな落とし穴が待っているかもしれない

 企業経営者が「選択と集中」と言わなくなってどのくらい経つであろうか。

 2010年代の初頭までは、「選択と集中」と話す経営者も見受けられたが、最近はその言葉を聞く機会が少なくなった。

「選択と集中」はやることを絞って経営資源を集中することで、他社と差別化を図り、市場で優位に立つという戦略立案では基本的な考え方の一つだ。

日本中、どこもかしこもデジタル化

 コンサルティング会社にける戦略立案のプロジェクトも、かなり少なくなっているのではないかと思われる。

 一方、どこもかしこもデジタル化であり、DXプロジェクト、オペレーション改革、コスト削減などのプロジェクトは多数見受けられる。

 戦略コンサルと思って入社したら、IT構築しかやったことがないというコンサルタントも多数いるはずだ。

 さて、ここ数年でどうしてここまで変わってしまったのだろうか。

 これは、世の中の企業が置かれている「事業の成長ステージ」と大きく関係している。

 事業の成長ステージを考えるうえで、以前も紹介したBCGダイヤモンドを取り上げて考えてみる。

 図に示す通り、事業のステージは創造→成長→優位性構築→効率化と進むわけだが、創造期や成長期に戦略をまじめに考えることはほとんど皆無である。