iPhoneの画面に表示されたフェイスブックのアイコン(写真:AP/アフロ)

 米フェイスブックは8月26日、同社がモバイルアプリ業者に提供している広告配信サービスが、米アップルの方針転換によって機能しなくなる恐れがあるとの見解を示した。

アップル、個人情報保護を厳格化

 フェイスブックは「オーディエンスネットワーク」と呼ぶサービスで提携先のモバイルアプリに広告を配信している。フェイスブックが収集した利用者情報に基づき、業者はアプリの個々の利用者に最適化された広告配信を受けられる。この時重要になるのが、対象となる利用者を絞り込むターゲティング機能。

 しかし、アップルはかねて個人情報保護の姿勢を鮮明にしている。同社が今秋に配布を始める最新モバイルOS「iOS 14」では端末識別子の取得に際し、アプリごとに利用者の同意が必要になる。

 これにより、今後、iPhoneではこの識別子の取得率が大幅に低下すると予想される。これに伴い、フェイスブックの広告配信はiPhone利用者の対象絞り込み精度が著しく低下する。結果として、アプリ業者の広告収入が減少するという。

「広告収入5割以上減少する恐れ」

 フェイスブックはその影響について「現時点で正確に測定すること困難だが、一般的にターゲティング機能が失われた場合、アプリ業者の広告収入は5割以上減少する。iOS 14ではそれ以上になる可能性がある」と説明している

 また、同社はブログで、「iOS 14では当社の広告配信は無力になり、提供する意味がなくなる可能性がある」とも述べている。