ポンペオ米国務長官とトランプ大統領(2020年5月29日、写真:UPI/アフロ)

(福島 香織:ジャーナリスト)

 マイク・ポンペオ国務長官が7月23日、カリフォルニア州のニクソン大統領図書館で行った演説「共産主義中国と自由世界の未来」はなかなか強烈だった。米中関係のフェーズが明らかにこれまでとは変わったことを印象付けるものだった。

 この演説で一番印象に残ったのは、次の部分だ。

「私は新疆の強制収容所から脱出してきたウイグル人とザフ人に会ったことがある。香港の陳(日君)枢機卿からジミー・ライ(黎智英)まで、民主活動家のリーダーたちと意見交換したことがある。2日前、ロンドンで香港の自由闘士のネイサン・ロー(羅冠聰)と面会してきた。先月、私は天安門事件の生存者の物語を聞いた。そのうちの1人が今日ここに来ている。

 王丹はキーマンである学生リーダーだった。彼は中国人民の自由のための闘争をずっと続けてきている。王さん、立ってください。我々にわかるように。・・・

 もう1人、中国の民主運動の父、魏京生がいますね。彼は民主を主張したために中国の労働改造所で数十年を過ごしました。魏さん、立ってくれますか?

(中略)

 共産党員はほとんどいつもウソをついている。彼らがばらまく最大のウソは、自分たちが、監視され、弾圧され脅され、本当のことを何も言えない14億人の人民の代弁者だとしていることだ。それどころか、中国共産党は中国人民の誠実な意見をいかなる敵よりも恐れているのです。彼らが権力のコントロールからはずれてしまうのを恐れているのです。