世界各地でワクチン開発が進んでいる(写真:ロイター/アフロ)

 6月26日、英製薬大手のアストラゼネカは日本国内への新型コロナワクチン供給に向け、日本政府と協議を開始すると発表した。同社が供給を予定するのは、英オックスフォード大学が開発したワクチンだ。

 日本国内では、大阪大学発ベンチャーのアンジェスが開発した国産ワクチンの実用化に注目が集まっている。今回の英国ワクチンに限らず、さらなる海外産ワクチンが今後は俎上に上ることになるかもしれない。アストラゼネカは、英国では既に承認申請に向けた最終段階のフェーズ3の試験を進めており、実用ワクチンの一番乗りが期待される最右翼だ。

 アストラゼネカとオックスフォード大のグループは既に動物実験による研究を査読前論文として発表しており、新ワクチン実現に向けた経緯を辿ることができる。臨床試験のデータは限られているものの、新型コロナワクチン最右翼の動向から、ワクチン完成の条件を探ってみよう。