4月30日、参議院予算委員会での安倍晋三首長と麻生太郎財務相(写真:つのだよしお/アフロ)

(舛添 要一:国際政治学者)

 中国は、4月8日に武漢の封鎖を解除し、全土で経済活動を再開している。町中に人が繰り出し、万里の長城などの観光地にも多くの人が来訪している。マスク着用など感染対策は継続しているが、「新型コロナウイルスの感染を抑え込んだ」という安堵感が伝わってくる。

 中国政府は、ワクチンがまだ開発されていない以上、第二波、第三波の到来に備えなければならないとして、徹底した水際対策も継続している。同時に、中国政府は、マスクをはじめ、医薬品・医療機器の寄贈など、世界に向かって援助外交を展開している。アメリカがコロナ感染に苦しんでいる間に、したたかな外交戦略である。

トランプ大統領とクオモ知事、対立する意見

 一方、アメリカは、ウイルスが武漢の研究所発の人為的なものだという説を流したり、中国政府に賠償を要求する訴訟を試みるなどの対抗措置をとっている。

 コロナ騒動下でも、米中の覇権争いが続いている。

 ロシアでも、10万人超と感染が爆発的に増加しており、感染者数で中国を上回ってしまった。アメリカやロシアは、初動の遅れが大きな原因となっており、そのツケが今になって回ってきている。

 アメリカでは、トランプ政権が経済再開に前向きであり、それに対してニューヨーク州のクオモ知事など、現場を預かる知事たちは、感染拡大の防止のほうに重点を置いており、意見の対立が激しくなっている。国民も、二分されており、都市封鎖に反対する人々は州庁舎の前で抗議集会を開くなどしている。これに対して、クオモ知事は、「入院率が14日間連続して低下したら」、経済活動を再開するという基準を示している。

 フランス、イタリア、スペイン、ドイツなどヨーロッパ諸国も、封鎖解除の段取りを次々と決めている。たとえば、フランスは、5月11日からほとんどの店を開けることができるようになる。