米ワシントンD,C.にある朝鮮戦争の記念碑

韓国、与党圧勝で反日強める

 4月15日の韓国総選挙(定数300)で、文在寅大統領率いる与党「共に民主党」が、系列の比例代表政党「共に市民党」と合わせて改選前の128議席から50議席以上伸ばし、180議席を獲得して圧勝した。

 与党が国会で法案処理が極めて有利になる5分の3の議席を占めるのは、1987年の大統領直接選挙導入以降初めてで、革新系政党が単独で過半数を得たのも2004年以来である。

 言うまでもなく、文在寅大統領および与党「共に民主党」は、反日、反米、従北、親中を鮮明にする左翼革新政権である。

 今般の選挙結果を受けて、さらにその路線への傾斜を強めるのではないかと懸念され、日韓関係の改善は期待できないばかりか、「米韓相互防衛条約」を締結している同盟国・米国との関係にも亀裂拡大の恐れが指摘されている。

 文在寅大統領は、南北を「生命共同体」と述べ、融和路線に執着しており、同政権が進める南北協力構想に横やりを入れたとして、与党議員がハリー・ハリス駐韓米国大使を公然と批判した。

 同大使が日本人の母親をもつ日系米国人であることも気に食わないらしい。

 また、2015年には、マーク・リッパート前駐韓米国大使が、暴漢によって顔をナイフで切られるテロ事件が発生した。

 さらに、ハリス大使の公邸に「従北朝鮮・反米国派」の大学生らが乱入したが、韓国警察は当初、これを放置した。

 文在寅政権は、国際条約を無視し、同盟国の大使や公館を守る意識がないようだ。

 中国の「抗日有理・愛国無罪」と同じく、「抗米有理・愛国無罪」であれば法治国家とは言えない。

 さらに、2020年以降の在韓米軍駐留経費の韓国側負担をめぐる交渉に関し、韓国政府が米提案の負担割合を拒否したことが明らかにされ、米韓関係の基本である軍事同盟に揺らぎが生じている。

 このままでは、在韓米軍の削減や撤退もあり得るとして、専門家の間では第2のアチソンラインが復活するのではないかとの懸念も囁かれるようになっている。