3月2日、国軍看護士官学校を訪問した韓国の文在寅大統領(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

 終わりが見えない。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、WHO(世界保健機構)は11日、ついに「パンデミック(世界的大流行)」との見解を表明。世界各国のスポーツ組織へのダメージも深刻化しており、日本ではセンバツが中止へと追い込まれてしまった。

 第92回選抜高等学校野球大会は当初、無観客での開催を目指してきたものの11日に行われた臨時運営委員会で大会主催者側の日本高校野球連盟と毎日新聞社によって「苦渋の決断」が下された。1942年から46年にかけて戦争による中断こそあったものの、予定されていた大会が中止となったケースは史上初。世のすう勢を鑑みれば致し方ないとはいえ“春の風物詩”と言われ、アマチュアスポーツの象徴的大会だったセンバツが、このような選択を取らざるを得なくなったのは日本スポーツ界にとって異常事態だ。

 しかも、この結論が出された日は「3・11」。東日本大震災から丸9年が経過し、日本全体が復興へ向けてさらに歩みを進めていかなければならないタイミングで、辛く悲しい決断を下さざるを得なかった大会主催者側の心中は察して余りある。

 そしてアマだけでなくサッカー・Jリーグ、そして日本プロ野球もすで国全体でに開幕の延期を決定。さらには、あれだけ政府関係者が血眼になっていた東京五輪・パラリンピックの開催についても、とうとう“身内”からネガティブな本音が具体的に聞こえるようになってきた。東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の有力幹部が米紙の取材に応じ「今夏開催断念なら1、2年の延期が現実的」との私見を述べ、東京五輪の開催に黄ランプが激しく点滅し始めている状況だ。

自国のパンデミックより「東京五輪危機」に関心

 こうした日本のゴタゴタを国全体で歓迎しているのが、お隣の韓国である。

 新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、苦境に立たされている点は日本と全く同じだ。それでも政府、国民ともども相変わらず対日へ憎悪の炎を燃やし続けていく姿勢に何ら変わりはないようである。韓国の主要メディアも新型コロナウイルスの余波で東京五輪の中止もしくは延期の可能性が大きくなってきたことをこぞって連日のように大きく取り扱っており、まるで国内の心配よりも日本の慌てふためく様子のほうが興味津々であるかのようなフィーバーぶりだ。