鎮護国家、玉躰安穏、五穀豊穣を祈念する真言宗最高儀式「後七日御修法」に出仕する筆者

 人間の意思や行為が及ばない自然界の法則によって起こると考えられることがらを自然現象という。その森羅万象は、人知を超えた法則により成り立っている。

 地球や北半球に発生する台風は左回りに回転し、月はその重力で地球に潮の満ち干に影響を及ぼす。地球は自転し、月は地球の周りを公転する。

 しかし、地球も月も互いに規則的に回転しているが、月がいつも地球に向いているのは完全に半分だけで、月の裏側を地球からは絶対に見ることができない。この精密で複雑な動きはなぜ生じるのか。

 宇宙の法則というのは、人が仮説を立てることはできるが、その真理に迫るには、人間の叡智では解明できないものが多く、大宇宙という次元を超えた視点から物事を見れば、人間の智慧などは、全く取るに足らないものといえる。

 その取るに足らない人間自身にも法則が働いていて、思い通りの人生を歩めるか、夢や希望が実現するか否かにも、その旋律が深く関わっている。

 世の中には運が良い人と悪い人がいる。

 不思議な力に後押しされて良い方向に向かうことを運気に乗るというが、世間には運気に乗れる人と乗れない人がいる。

 では、運気とは何か。幸運や災難は単なる偶然なのか。

 実は運気は2種類存在する。

 それは「回り合わせ」「巡り合わせ」など、私たちに予測のつかない現象が自然に回って来るものと、「幸せ」「因縁」など何らかの要因が引き金を引かれて近づいてくるものだ。