(2011年4月14日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
東京電力は米リーマン・ブラザーズを10倍にしたような存在だ。本当に大きすぎて潰せないのである。
同社は日本の電力の29%を、首都圏の200万社超の企業と2600万世帯に供給している。今、福島第一原子力発電所が恒久的な運転停止になっただけでなく、東電が抱える17基の原子炉のうち13基が停止中で、20ある石油火力発電所の半分と2つの石炭火力発電所も運転を停止している。
東電の失われた発電量(通常の発電量の4分の1程度)は、厳しい暑さで電力需要が急増する夏場の前でさえ、既に深刻な影響を及ぼしている。
運転を停止しているのは福島第一原子力発電所(写真)だけではない〔AFPBB News〕
政府は1974年の石油危機以来使われたことのない法令を発動し、今夏の電力使用量を昨年のレベルの4分の3に制限すると見られている。
大企業のロビー団体である日本経団連は、強制的な使用制限は幅広い産業にダメージを与えると懸念している。
鉄道、紙パルプ、鉄鋼、化学、ビール会社、半導体メーカー、自動車および自動車部品メーカーはすべて、電力に大きく依存している。経団連は必死になって、自主的な削減を認めるよう政府を説得しようとしている。
東電なしで機能し得ない日本経済
要するに、地震と津波は日本の国内総生産(GDP)のごく一部にしか影響しないという話は、楽観的に見える。もし電力制限が今年いっぱい、あるいはそれ以上続いたら、日本経済の心臓部が生命維持装置につながれることになる。
近代の日本は絶対に、東電なしでは機能できない。まさにそれが問題で、どんな国でも経済の血液である大手銀行のように、東電は必要不可欠なのだ。
もし先月の災害に対する同社の計画と対応に過失があったとすれば(あったことを示唆する証拠は十分ある)、主な原因は、大きすぎて潰せない公益企業という東電の地位にある。モラルハザード(倫理の欠如)は銀行業だけに限らない。
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