『家族を想うとき』(photo: Joss Barratt, Sixteen Films 2019)

 フリーで働いていると言うと、「時間は自由になるんでしょ? 平日の昼間にランチしようよ」というのんきなお誘いをしてくる主婦の友だちがいるが、働かないと一銭も稼げない身の私は、平日の昼間は当然、働いているし、なんなら人が休んでいる土日だって働いている。

 個人事業主といえば聞こえはいいが、増加傾向にある非正規雇用の一人。いまや働き手の4割近くが非正規となった日本。これは世界中の傾向なのだろう。

「家族のため」とがむしゃらに働いた末に

『家族を想うとき』の舞台はイギリスのニューカッスル。16歳の息子と12歳の娘を持つリッキーは日雇いで、建設現場などで働いていたが、持ち家を手に入れたいと一大決心。友人から高給と聞き、フランチャイズの宅配ドライバーを始める。

『家族を想うとき』(photo: Joss Barratt, Sixteen Films 2019)

 ガッツと車さえあればできる仕事。いや車もなくたって、レンタルしてもらえる。1日14時間、週6日、2年もがむしゃらに働けば、借金も返済でき、マイホームも夢じゃない。すべては家族のためだった。