アマゾンの小型端末「Echo Show 5」(写真:アマゾンHPより)

 シンガポールに本部を置く市場調査会社カナリスによると、今年(2019年)7~9月に世界で出荷されたAIスピーカー(ディスプレー付き端末を含む)の台数は2860万台で、1年前から44.9%増加した。

アマゾン65.9%増、グーグル40.1%減

 メーカー別出荷台数は、米アマゾン・ドット・コムが1040万台と、1000万台の大台を突破して首位を維持した。2位は中国電子商取引大手アリババ・グループ(阿里巴巴集団)の390万台だった。

 3位は中国検索大手バイドゥ(百度)の370万台。この後、米グーグルの350万台と中国スマートフォン大手シャオミ(小米科技)の340万台が続いた。

 このうち首位のアマゾンは、1年前から65.9%伸び、市場シェアが36.6%に拡大した。これに対し2位以降のメーカーのシェアはいずれも10%台の前半にとどまっている。

 ただ、中国メーカーの前年同期比伸び率は、いずれもアマゾンを上回っている。たとえばアリババは同77.6%の伸び。バイドゥは同290.1%増と、4倍近くに増えた。

 一方、上位5社の中で台数を減らしたのはグーグルのみ。同40.1%減と、大きく落ち込んだ。グーグルは今年1~3月まで2位の座を維持してきた。しかし4~6月にバイドゥの台数が1年前の38倍と驚異的に伸び、グーグルを追い抜いた。この7~9月はアリババにも抜かれた。

 カナリスによるとアマゾンは、毎年7月に行っている会員向けセール「プライムデー」や新学期セールでの販売が好調だった。アリババはコーヒーチェーンのスターバックスなどと展開したキャンペーンが奏功したという。