2017年2月フロリダ州で行われた、米物流大手UPSドローン配送の公開試験。(写真:ロイター/アフロ)

 まだ一部の地域や分野という制約があるものの、米国ではドローン(小型無人機)を使った配達サービスが始まった。

グーグル、宅配荷物や市販薬届ける商業サービス

 米グーグルの持ち株会社である米アルファベット傘下でドローンメーカーの米ウイングは10月19日、米バージニア州で宅配サービスを始めたと発表した

 これは、eコマースの商品をドローンで運ぶ米国初の商業サービスだという。

 ウイングは今年(2019年)9月に米国で実証実験を始めていた。米物流大手フェデックス(FedEx)や米ドラッグストアチェーン大手のウォルグリーン、地元の小売業者と提携し、宅配の荷物や市販薬、スナック菓子、文房具などを顧客に届けるというものだ。

 本格的に始まった新サービスでは初日にバージニア州クリスチャンズバーグの住民に対し、フェデックスの荷物やウイングの専用アプリを使って顧客が注文した感冒薬などを届けたという。

 ウイングが航空運送業者の認可をFAA(米連邦航空局)から受けたのは今年4月

 それまで、同社はオーストラリアで配送実験を行っていた。6年の月日をかけて開発したという同社のドローンは、垂直離着陸と翼を使った水平飛行が可能。

 これに同社のナビゲーションシステムを組み合わせ、小包ほどの荷物を数分で顧客の敷地内に届ける。ドローンは目的地に着くと、上空からロープを垂らし、庭や玄関前、私道などに荷物を降ろす。