日本が半導体材料の韓国への輸出規制を強化したことを受け、韓国で日本製品の不買を呼びかける動きが広がっている。7月7日、ソウルしたスーパーで、従業員が日本のビール、タバコ、食品を棚から取り出し返品準備をしている。(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

(崔 碩栄:ノンフィクション・ライター)

 日本政府が7月4日に発動した韓国向けの半導体や液晶材料について輸出規制措置、そして貿易規制上の優遇措置対象である「ホワイト国」からも除外される可能性があることから両国間に葛藤が深まっている。対象になったのはフッ化ポリイミド、レジスト、フッ化水素の3品目。これらが日本から円滑に供給されなければ、韓国は輸出産業の核ともいえる半導体分野で大きなダメージを受けるのみならず経済全般に激震が走ることは明白だ。

 韓国政府と財界は、日本側の強攻策にパニック状態だ。表面的には依然強気な態度を崩さずにいるが、政府が緊急会議を開き対策を模索する一方で、半導体の世界トップシェアを誇るサムスンの副会長は日本の財界人らと会うため急遽訪日を決めるなど、対応に追われている。

日本でも大きく報じられる不買運動

 今回の措置について日本政府は「徴用工裁判」との関連性を否定しているが、韓国は徴用工裁判の事実上の報復的措置とみている。その真偽のほどは明らかでないが、韓国内の反応は大きく二つだ。

 一つは、韓国政府の対日外交の未熟さを叱咤する声、もう一つは日本側の措置を韓国に対する嫌がらせ、イジメだと認識し、日本を悪者として批判する動きだ。

 後者の例としては日本のテレビ、新聞にも紹介され話題となった「日本製品不買運動」を挙げられる。日本大使館前に集まった商人、自営業者たちが声を荒らげながら日本の企業名が書かれた箱を踏みにじりながら日本製品不買を訴えるシーンは、日本の視聴者にも強い印象を残したことだろう。

 本稿ではこの「日本製品不買運動」について少し補足説明したいと思う。これによってこの運動に対するイメージもだいぶ変わってくるのではないだろうか。