(英エコノミスト誌 2019年5月11日号)

イスタンブール市長選のやり直しを決定、トルコ選管当局

自らが勝利した、トルコ・イスタンブール市長選のやり直しに対する抗議集会で演説する中道左派野党・共和人民党(CHP)のエクレム・イマームオール氏(2019年5月6日撮影)。(c) Bulent Kilic / AFP〔AFPBB News

レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はいかなる手段を用いてでも同市を奪還する構えのようだ。

 イスラム圏がラマダン(断食月)に入って間もない5月6日の夜。

 トルコ最大の都市イスタンブールでは、その日の断食を終えて夕食を取った人々などが男も女も自宅の窓を開け、明かりをつけ、やかんや鍋を打ち鳴らし始めた。

 昔から行われている、抗議の意思表示だ。

 発端はこの数時間前にあった。トルコの最高選挙管理委員会が、3月末に行われたイスタンブール市長選挙の結果を取り消したうえで選挙のやり直しを命じ、四半世紀ぶりに野党からの当選を果たしたエクレム・イマモール氏から市長の権限を剥奪したのだ。

 やり直し選挙は6月23日に行われる。

 ここ数年で最大の音量になった台所用品のコンサートを、背後で糸を引いたと思われているレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領への反抗の証しだととらえた人は多い。

 一方で、これはトルコの民主主義の葬送行進曲だと受け止めた人もいた。

 最高選挙管理委員会の動きは、イスタンブールの有権者がイマモール氏に僅差ながらもショッキングな勝利を与えた3月31日以降、ずっとくすぶっていた。