(英エコノミスト誌 2019年5月11日号)

イラン、核合意の一部履行を停止

イラン首都テヘランで演説するハッサン・ロウハニ大統領(2019年5月8日撮影)。(c)HO / Iranian Presidency / AFP〔AFPBB News

米国とイランがともに一歩引き下がる必要がある。

 戦の始まりを告げる太鼓の音が再び鳴り響いている。

 具体性のない脅しをイランから受けた米国が、空母打撃群を戦略爆撃機B52とともにペルシャ湾に向かわせている。

 ジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、米国またはその同盟国が攻撃を受けた場合には「断固たる力で対応」すると述べている。

 片やテヘランでは、ハッサン・ロウハニ大統領が、米国やそのほかの列強と交わした取り決めをもう守らないと話している。

 経済支援と引き換えに核開発プログラムへの厳しい制限を受け入れるという、いわゆる核合意のことだ。

 これによりイランは、核爆弾の保有に至る道を再度、ゆっくりではあるが着実に歩んでいく構えのように見受けられる。ボルトン氏をはじめとする米国のタカ派は、悩みの種をまた一つ抱えることになる。

 つい4年前、米国とイランは違うコースを進んでいた。

 イランの指導者たちが「握っている拳を開くなら」自分も手を差し出すとバラク・オバマ大統領が持ちかけた後、双方が歩み寄り、核合意に至った。