(英フィナンシャル・タイムズ紙 2019年4月19日付)

英・EUが10月末へのブレグジット再延期で合意

ベルギー首都ブリュッセルにある欧州議会で、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)をめぐる会議に臨む加盟各国の首脳ら(2019年4月10日撮影)。(c)Olivier Hoslet / POOL / AFP〔AFPBB News

 筆者が若かった1960年代に、英国は長引く景気低迷のために「欧州の病人」として知られていた。

 だが、マーガレット・サッチャーの首相時代が終わると、この惨めな呼び名はもう当てはまらないように思えた。

 ところが今、再び、筆者が海外(特に大陸欧州)へ赴くたびに、困惑と哀れみと他人の不幸を喜ぶ気持ちが入り混じった様子で「英国はどうしてしまったのか」と人に聞かれる。

 質問されても、答え(あるいは複数の答え)を知っているふりはしない。だが、症状を説明することはできる。英国は今、6つの危機に同時に見舞われているのだ。

 最も重要な第1の危機は、経済的なものだ。その起点は2008年の金融危機のショックだった。

 だが、現時点では、この危機の最も重要な側面は生産性の低迷だ。

 調査会社カンファレンスボードによると、英国の時間当たり生産高は2008年から2018年にかけて3.5%しか増加していない。重要な高所得国の中で、英国より伸びが鈍かったのはイタリアだけだ。

 だが、伸びが鈍い理由は、英国の生産性がすでに高かったからではない。