米アマゾン、NYの第2本社計画を撤回 地元の反発受け

米アマゾン・ドットコムのロゴ(2011年9月28日撮影、資料写真)。(c)Emmanuel DUNAND / AFP)〔AFPBB News

 米アマゾン・ドットコムのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)が株主に宛てた書簡で、同社の有料プログラム「Prime」の世界会員数が1億人を超えたことを明らかにしたのは、昨年(2018年)4月のことだった。

 先ごろ公開した今年の株主宛書簡で、同氏は現在の会員数について言及しなかった。だが、米国の市場調査会社は、アマゾンの主要市場である同国では、会員数の伸びが鈍化傾向にあると指摘している。

対前年同期比で11%の増加にとどまる

 米CIRP(コンシューマー・インテリジェンス・リサーチ・パートナーズ)がまとめた最新レポート(PDF書類)によると、今年1~3月におけるPrimeの米国会員数は、1億300万人だった。

 1~3月は通常、繁忙期を含む10~12月の反動から、伸びが鈍化する。今年1~3月の対前期比伸び率は2%で、1年前とほぼ同じ水準だった。しかし対前年同期比では、11%の増加にとどまり、同16%増を記録した1年前に比べ、鈍化している。

新たな会員の引き留めが課題

 詳しく見ると次のようになる。

 今年3月時点で、それまでの1年間Prime会員だった人が、契約を更新したという比率は93%。同様に、それまでの2年間Prime会員だった人が、契約を更新したという比率は98%に上った。こうした高い顧客維持率を持つアマゾンは、サブスクリプション(定額制)サービスを提供する、あらゆる企業の羨望の的だと、CIRPは指摘している。