(英エコノミスト誌 2019年4月20日号)

 オマーンの首都マスカットから南に下る。

 最初の500キロは見るべきものがあまりなく、ハイウエーがハジャル山脈を切り裂くように走り、退屈な海岸線を下っていく。

 すると、ドゥクムに着く。巨大な港に変身させる計画が進んでいる静かな漁村だ。

 オマーン政府が期待しているのは、アジア、アフリカ、欧州間の海運市場に食い込んでシェアを取ることだ。

 そしてここで、何もないところに、中国企業のコンソーシアムが100億ドルを投じて広さ1000ヘクタールの工業地帯を建設したがっている。

 「石油化学、ガラス、太陽光発電パネル、自動車用バッテリー――中国企業はこういった分野すべてに攻め込みたいと考えている」

 ドゥクムの港の最高責任者(CEO)、レジィ・フェルムーレン氏はそう教えてくれた。

 中国は長年、中東をガソリンスタンドと見なしてきた。消費する石油の約半分をアラブ諸国やイランから輸入してきた。