中国の今年(2019年)1~3月期の映画興行収入が、前年同期比8%減の186億1400万元(約3025億6650万円)となり、ここ数年で初のマイナス成長に転じた。右肩上がりで成長を続け、2018年に通年の興行収入としては過去最高の609億7600万元となった矢先のことだ。

 ただ、このニュースを目にしたとき、「やっぱり」というのが筆者の率直な感想だった。筆者が住む上海では、以前に比べ映画鑑賞が身近な存在になっているものの、インターネットの有料サイトなど映画館以外で映画を観る人も増えていると感じていたからだ。無料でダウンロードできるサイトも少なくない。

中国の映画料金は安い!

 また普段から、映画チケット料金がほかの娯楽消費に比べて格段に安いと感じていることもある。

 上海では標準的な映画チケットは50~150元程度。ただ、「団購(グループ購入)」サイトや映画チケット購入専門アプリを利用すれば、時間帯によっては定価100元(約1600円)のチケットを半額以下の35元(560円)で購入することもできる。

 筆者はお目にかかったことはないが、団購サイトには約10元といったタダ同然のチケットも存在するという。消費者にとっては財布にやさしい価格だが、これで映画館は儲かるのか? と心配したくなるほどの安さだ。