(英フィナンシャル・タイムズ紙 2019年4月12日付)

英首相、独仏首脳と会談  EU大統領は最長1年の延期呼び掛け 英離脱

ドイツ・ベルリンの首相府でテリーザ・メイ英首相(右)を出迎えるアンゲラ・メルケル独首相(左、2019年4月9日撮影)。(c)John MACDOUGALL / AFP〔AFPBB News

 平凡なリーダーがこしらえる耳に残りやすいコメントは、いずれも目先の利益を狙ったものだ。重要なのはマイクをつかむことなのだ。

 「ステーツマン」と称されるような大物政治家になると、もう少し先を見るようになる。戦略的な利益は、寛大さを穏やかに示すことで得られる場合が多い。

 フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、欧州では群を抜いて興味深い政治家だが、ステーツマンの手腕を持っているとはまだ言えない。

 マクロン氏はヨーロッパ人のリーダーであることを自認している。

 ここで言う「ヨーロッパ人」からは、ブレグジット(英国の欧州連合=EU=離脱)の決断をひっくり返そうとしている英国系ヨーロッパ人は除かれているようだ。

 あれほどシャルル・ドゴール将軍のまねをしていながら、ブリュッセルで10日開かれたEU首脳会議でマクロン氏が「不誠実なアルビオン(イングランドの古称)」に拒否権を行使するはずがなかった。

 リスボン条約50条で定められた離脱期限の延期を6か月にとどめるよう主張したりせず、もっと度量の大きいところを見せた方がよかったろう。

 実際、ドイツのアンゲラ・メルケル首相と欧州理事会のドナルド・トゥスク議長(EU大統領)が大人だった。