(英エコノミスト誌 2019年4月13日号)

トランプ大統領が「FRB議長解任」の合法性を協議、米報道

米首都ワシントンのホワイトハウスで、トランプ米大統領(左)から連邦準備制度理事会(FRB)次期議長に指名され、会見するジェローム・パウエル氏(2017年11月2日撮影、資料写真)。(c)AFP/SAUL LOEB〔AFPBB News

政治家による介入は、世界にとって悪い知らせだ。

 経済学に批判的な人はよく、経済学の抽象的理論は現実世界に成果をもたらさないと言いたがる。

 この指摘に対しては、一つ、大きな反例がある。過去25年間における中央銀行の独立性の世界的な台頭だ。

 1970年代には、自身の人気を高めるために政治家が金利を操作するのは普通のことだった。これがインフレの苦悩をもたらした。

 そこで、豊かな国とさほど豊かでない多くの国が、政治家が大まかな目標――安定した物価――を定め、独立した中央銀行に目標の実現を任せる体制へ転換した。

 ほんの一世代で、世界中の数十億人の人が安定した低インフレに慣れ、自分の銀行預金や住宅ローンの金利がしっかり抑制されているという考えに馴染んだ。

 そして今、金融政策を再び政治的なものにしているポピュリズム、ナショナリズム、経済的作用が相まって、この成功が脅かされている。

 米国のドナルド・トランプ大統領は、利下げを要求し、米連邦準備理事会(FRB)の議長解任について憶測を飛ばし、資質を欠く取り巻きのスティーブン・ムーア、ハーマン・ケイン両氏をFRB理事に指名すると述べた。

 英国の欧州連合(EU)離脱派がイングランド銀行の能力と動機をこき下ろす一方、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は中銀と激しい攻防を繰り広げている。