冒頭の朴記者が続ける。

「折からの経済悪化によって、週末のソウルといえども、いつもは暗い雰囲気なんですが、12日の晩はレストランも飲み屋も、『対日勝利の乾杯』に沸いていました。

 韓国で誰よりもホッとしたのが、文在寅大統領だったと思います。重ねて言いますが、WTOの『判決』とほぼ同時刻に、ホワイトハウスで行われていたトランプ大統領との韓米首脳会談は散々で、文大統領が帰国後、国会で糾弾されるのは目に見えていました。それがこの思わぬ『対日勝利』によって、『文大統領はワシントンでは失敗したけど、まあ許してやるか』という感じになっているのです」

米韓首脳、金委員長との3度目の会談協議へ

ホワイトハウスでの米韓首脳会談で言葉を交わす文在寅大統領(左)とトランプ米大統領(2019年4月11日撮影)。(c)Nicholas Kamm / AFP〔AFPBB News

いまだ23カ国・地域が輸入禁止措置

 ともあれ、日本はなぜ「逆転敗訴」したかということを、きちんと総括し、反省してみることが必要だろう。「日本勝訴」の1審が覆ったのだから、日本側にも何らかの戦略ミスがあったに違いない。12日には、菅義偉官房長官も河野太郎外相も、「負け惜しみ」のような苦しい弁解をしていたが、あのような態度は、とても格好いいものではない。

 実際には、福島原発事故から8年を経ても、いまだに韓国だけでなく、23カ国・地域で輸入禁止措置を取っているのだ。

 例えば、近隣諸国・地域を見ても、台湾は、昨年11月に住民投票を実施し、「福島、茨城、栃木、群馬、千葉の5県産の食品は最低2年間、禁輸を継続する」という決定を行っている。中国は、福島、宮城、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、新潟、長野の1都9県の食品の輸入を全面的に禁止してきた。昨年10月に安倍首相が訪中した際、改善を要求。中国側は見直しを約束したが、昨年11月28日に、中国人に人気が高い新潟米の輸入を解禁したのみだ。

 各国・地域に輸入禁止を解除してもらうには、政府としてのもっと積極的な対策が必要だ。

 生産者や漁業関係者には厳しい状況が続くが、消費者の立場に立てば、福島近海のホヤも、会津産の銘酒も、値段が吊り上がらず、他国に渡さずに日本人がしこたま味わえる。考えようによっては、悪いことだけではない?