(英フィナンシャル・タイムズ紙 2019年3月30/31日付)

英下院、EU離脱代替案をすべて否決

英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)をめぐる政府案の代わりとなり得る選択肢の採決を終えた英下院議員ら。英議会記録部(PRU)の動画より(2019年4月1日撮影)。(c)AFP PHOTO / PRU〔AFPBB News

 古代ギリシャ演劇の伝統的な手法にデウス・エクス・マキナというものがある。

 劇中の人物が解決困難な問題に苦しんでいる場面で、クレーンのようなものを使って舞台の中央に神を登場させ、その神聖な命令によってすべてを丸く収めてしまうやり方だ。

 今こそ、このデウス・エクス・マキナが少しでも使えればとてもありがたい気がする。

 米国では、ロバート・モラー特別検察官によるロシア疑惑の報告書がその役目を担ってくれることを、多くの人が期待していた。

 非常に批判的な内容になれば、ドナルド・トランプ大統領という解決困難な問題を一気に吹き飛ばしてしまうだろう、来年の大統領選挙で対立候補の支持者を探し集めるという過酷な作業も不要になる、というわけだ。

 しかし、連邦議会の構成上、弾劾が成立する公算はなかった。

 それどころか、モラー氏の報告書には(中を見られると想定するなら)誰かに影響を及ぼす情報が含まれているわけでもなさそうだ。

 人は皆、今頃はもう、自分がトランプ氏のことをどう思っているか分かっているに違いない。