(英エコノミスト誌 2019年3月30日号)

S&P、アルゼンチンの信用格付けを1段階引き下げ

アルゼンチン・ブエノスアイレスの銀行に張られたペソの旧紙幣のポスター(2018年9月26日撮影、資料写真)。(c)EITAN ABRAMOVICH / AFP〔AFPBB News

新しい大胆な政策枠組みも長年の習慣を打破できなかった。

 マクロ経済学をばかにする人は少なくない。しかし、アルゼンチンと日本の両方を説明しなければならない理論は、どんなものであれ同情に値する。

 特に、前者のインフレ率があれほど高い水準からなかなか下がらない一方で、後者のインフレ率が非常に低い水準で推移しているのはなぜなのだろうか。

 アルゼンチンでは2月の消費者物価上昇率が前年同月比で50%に達し、1991年以降の最高値を記録した。

 片や日本の2月のインフレ率は0.2%にも満たず、2016年以降で最も低いレベルに並んでいる。

 両国の惰性は不可解だ。

 日本では、労働市場が非常にタイトで、失業率がもう1年以上、2.5%以下にとどまっているにもかかわらず、インフレ率は低位にある。

 アルゼンチンでは、経済規模が急激に縮小している――2018年第4四半期の国内総生産(GDP)は前年同期比で6%以上小さくなっていた――にもかかわらず、インフレ率は高いのだ。

 もちろん、この2カ国は以前から経済学者を困惑させてきた。