人生100年時代、50代は「折り返し地点」に過ぎない。50歳を前にして銀行員から作家に転身した江上剛氏が、人生の後半戦を充実して過ごすための「五十路(いそじ)の壁の乗り越え方」を指南する。(JBpress)

(※)本稿は『会社人生、五十路の壁』(江上剛著、PHP研究所)の一部を抜粋・再編集したものです。

第2の人生を意気揚々と送る50代の共通点

 まず、意気揚々と生きるには「のに」から解放される必要がある。

 私の知人のある会社役員は、社長に尽くして尽くしたのに、閑職に回されてしまった。役員としての体面は保っていたが、排除されていることは周囲にもよく分かった。彼は仕事ができすぎたのだ。

 ある時、部下が社長に彼のことを「虎の威を借る狐」だと讒言(ざんげん)した。仕事ができ、部下からの評判もいい彼に社長はいつしか嫉妬や警戒心を抱いていたのだろう。その讒言に耳を傾けてしまった。彼は社長にもズバズバと意見をしていたから、社長は内心面白くなかったのだろう。それが閑職に回された理由だ。

 そこで私は彼に「のに」から解放されなさいとアドバイスした。尽くしたのに、努力したのにと「のに」ばかり思っていると、頭の中はいつのまにか「のに」でいっぱいになり、どうしようもなくなる。そのうち頭が破裂してしまうだろう。

 人生というのは思うに任せないものだ。こんな分かり切ったことを言って、お前は聖人を気取っているのかと思われるかもしれないが、あえて言わせてもらおう。

 例えば財務省のエリートで出世街道をまい進していたのに、つまずいて国会に呼ばれ、追及を受ける立場になる人もいる。

 文部科学省の次官にまでなって、自分の信念に基づいているとはいえ、国の政策を批判し、あろうことか自由な立場になって講演しているにもかかわらず政治家から攻撃を受ける人がいる。