圧倒的な人手不足が続く中で、企業の苦闘が続く。一方、売り手市場で有利なはずの求職者も、必ずしも理想の転職ができているわけではないようだ。企業と求職者、お互いにとって不利益な状況はどうして生じるのか。原因はどこにあるのか。解決策は…。既存の転職サイトとは一線を画す、新しいオークション型の転職サイトをリリースしたSBヒューマンキャピタル株式会社 キャリオク事業本部 本部長の松尾寿倫氏に聞いた。

求職者と採用企業の関係は対等の時代へ

 平成31年1月の有効求人倍率(季節調整値)は1.63倍と、依然高止まりの状況が続いている(厚生労働省調べ)。数値から見れば完全な「売り手市場」であり、「採用難」であることは間違いない。有能な人材を求める企業は求人サイトや人材紹介エージェントなど、あらゆる手を尽くして採用に動いているが、人材採用は困難を極め、それどころか現職者はすぐに退職をしてしまう。一方で求職者は売り手優位な環境を背景に安易に転職を繰り返してしまう例が後を絶たないのだ。

 企業経営者や人事担当者は、「求職者へのアプローチの方法が間違っているのではないか」「そもそも求める人材に接触できていないのではないか」と考え、求職者は「なかなかフィットする企業に巡り合えない」「話が違う」と悩む。転職サイト「キャリオク」をリリースしたSBヒューマンキャピタル株式会社(以下SBHC)キャリオク事業本部 本部長の松尾氏は、現状をこう分析する。

 「これだけ貴重な働き手が減少していく社会構造にも関わらず、採用企業は『良い候補者からの応募がない』『採用してもすぐに辞めてしまう』と受け身の姿勢を取っており、一方で現社員は『給料がなかなか上がらない』『新たなチャレンジをする機会が貰えない』という理由で離職をしてしまう実態があります。人手不足が続く日本社会において、会社と人との関係は、会社優位から「イコール」になっていくのではないでしょうか。

 採用した社員に対する考え方にも見直す価値があります。現職者の給与や待遇改善に対する投資が低調で、それが転職後の不満、新しい転職先の模索へとつながっている流れがあるからです。企業は現職者や求職者のいずれに対して対等な立場で接する事が求められる世の中になっていくのではと思います。」

 一方で、働き手にも厳しい時代になっていく。松尾氏はこう続ける。

「自分の市場価値が把握できないまま、ベストか分からない転職を繰り返すのは、自身にとっても企業にとっても不幸なことです。自分の市場価値や可能性をリアルに知ることで、自身の技術やスキルアップに関心を持ち、自分らしさを表現することが出来る。そのきっかけになるプラットフォームが時代に不可欠だと考えました」

 こうした思いで2019年3月15日にリリースされたのが、新しい転職サイト「キャリオク」だ。キャリオクの特徴は「入札によるマッチング方式」だ。

 既存の転職サイトが「サイトに掲載されている企業の求人情報に対して求職者が応募する」ものだったのに対し、キャリオクは「掲載されている求職者の情報に対して、採用企業がオファーする」方式だ。まさに正反対の発想であり、SBHCが描く「求職者と企業は対等」という在り方に合致する。

自分のキャリアシートを「出品する」斬新さ

 求職者は「キャリアシート」で希望する年収、勤務地、職種などを表明し、自分という人材の価値をオークションに出品する。それに対してオファーを入れた複数の企業から、実際に面接する企業を選定、面接を経て企業からの最終入札で転職先を決定する。企業からのオファー内容は年収だけではない。「裁量権あり」「意見を尊重してもらえる」など働き方にもこだわりの条件を提示することが可能。求職者の多様化した転職動機に応えるオファーも出来る。こうしたプロセスによって、これまで発生していた企業と求職者の “すれ違い”も生まれにくくなりそうだ。求職者はキャリアシートで自らを「出品」、入札のあった企業に面接するか辞退するかを連絡する。

 キャリオクでは、企業が候補者を検索しなくても、サイトからマッチングの高い求職者がレコメンドされる他、原稿作成が不要であり、キャリオク事務局から新規登録者やマッチングされた求職者情報がメールで定期的に送付されてくるなど、企業側の負担が少ないことも魅力的なポイントとなるだろう。更に求職者の検索は無料、企業からのオファーに求職者が応諾される毎に課金がされていく構造だ。

<企業側の画面> 企業は求める条件で検索し、ヒットした求職者に入札する
拡大画像表示

 また、思わぬ効果も期待できそうだ。これまで転職を明確に意識してこなかった「転職潜在層」が、自分のキャリアシートに対する、年収提示付きのオファーを通じて、自らの市場価値を認識し、より自分らしい働き方に対する気付きが生まれる。これが結果として「転職潜在層の掘り起こし」にもつながる。この点について、松尾氏はこう推測する。

「キャリオクは実際の企業からリアルなオファーをもらえるため、求職者は自分の市場価値を知ることができます。それによって思いもよらない企業や業界からオファーをもらって自らの可能性を発見する半面、時には今の会社が自分の事を高く評価していることを知るきっかけにもなるでしょう」

 こうなると、もはや、単なる転職サイトを超えた存在と言えそうだ。転職するかどうかは別として自らの価値を客観視でき、現在所属する企業に対するモチベーションアップやロイヤリティー向上につながる可能性があるとなれば、誰しも試してみたくなるのではないだろうか。

 冒頭でも触れたように、キャリオクの原点にある思想は、「企業と働き手が対等である」という考え方だ。松尾氏はこんなイメージを描く。

「キャリオクを通じて、企業は現職の社員の適正な待遇や成長機会の提供、また求職者への対応を見直すきっかけに。その結果、社員や求職者から「選ばれる会社」になることが出来るのではないでしょうか。また求職者はリアルな市場価値を知り、自分の価値やスキルと真剣に向き合い、自分を見つめ直すきっかけを提供出来れば幸いです。」

 キャリオクは、働き手と企業の理想的な関係構築のゲートウェイと言えそうだ。


キャリオクの詳細はこちらから>>
 

SBヒューマンキャピタル株式会社
キャリオク事業本部 本部長  松尾 寿倫 氏

<PR>