英秘密情報部、初のテレビCM開始 人材多様化狙う

英首都ロンドンにある秘密情報部(MI6)本部(2010年11月23日撮影、資料写真)。(c)AFP PHOTO / BEN STANSALL〔AFPBB News

(英エコノミスト誌 2019年3月23日号)

目論見を明かすのが早すぎると、危険を招くことがある。

 中国の検閲当局がようやくジェームズ・ボンド映画の本土上映を認めたのは2007年、シリーズの第1作が公開されてから40年以上経ってからのことだった。

 中国人がこの英国人スパイのことを知っていたのは、ひとえに海賊版の横行のおかげで、世間では「凌凌漆(007)」というコードネームで呼ばれていた。

 中国の指導部は、初期の作品の「お約束」を研究した方がいいだろう。

 ジェームズ・ボンドがとらわれの身になり、冷酷な天才科学者はボンドの死は間近だと思い込み、自分の世界征服計画を得意げに話し始める。

 ところが、整備の行き届いた頼れる愛車アストン・マーチンのおかげで、自慢するタイミングを読み誤ったことが判明する。

 あっという間にボンドは自由の身になり、悪役のアジトは炎に包まれ、その企みも灰になる――。

 今日の現実世界では中国が世界的な大国として前面に出ようとしているが、尋常でない抵抗に遭っている。

 それも、まだ機が熟していないのに自分の野心を告白してしまうという、映画評論家がボンドの悪役の失敗と呼びそうな行動が中国に苦難をもたらしているケースが驚くほど多い。