退任決まってルンルン気分? キャメロン英首相が鼻歌を歌う

英ロンドン・ダウニング街10番地の首相官邸前で、テリーザ・メイ内相の首相就任決定を発表するデビッド・キャメロン首相(当時、2016年7月11日撮影)。(c)AFP/CHRIS J RATCLIFFE 〔AFPBB News

(英フィナンシャル・タイムズ紙 2019年3月22日付)

 デビッド・キャメロン氏は英国史上最悪の首相だった。

 しかし、テリーザ・メイ首相はこの地位を争うライバルになる恐れがある。

 キャメロン氏は、その必要もないのに欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票を実施するという大失態を犯した。メイ氏は、そのEUから合意なしで離脱するリスクを冒している。

 これは筆者がかなり前から恐れていた展開にほかならない。もし英国が合意なき離脱をすることになったら、その責任はメイ氏にある。

 メイ氏の戦術は、古代ローマのとあるエピソードを思い出させる。

 老婦人に変装したクマエのシビュラ(巫女)が、古代ローマ最後の王タルクイニウス・スペルブス(傲慢王)のところにやって来て、9巻ある預言書を買わないかと持ちかけた。法外な値段だったため、王は断った。

 すると巫女はそのうちの3巻をたちまち焼き払い、残った6巻を同じ値段で買わないかと言った。王は再び断った。

 巫女はすぐさまそのうちの3巻を焼き払い、同じ提案をした。懲りた王は残った3巻を、最初に示された高値で買った。