人気の株主優待をどう活用する?

中長期の資産形成にとっては遠回りの可能性も

小島 淳/2019.3.26

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株主が金融機関だったときの株主優待は

 資産形成の視点で株主優待をとらえると、「投資先の商品・サービスを確認できて投資判断の材料になり得る」「利回りを享受できる」という2つのメリットがあるわけです。この2つのメリットはいずれも個別株式での投資が基本といえますが、投信を通じて投資した場合はどうなるのでしょうか。

 投信はその仕組み上、運用会社が銘柄選択の判断を下して証券会社に売買の指図を行います。実際の株式保有者、つまり株主は信託銀行になります。株主通信などの株主欄に信託銀行が記載されているのは、投信による保有があるためです。

 株主が信託銀行(金融機関)だとしても株主優待はあるのか・・・結論から言うと、あります。たとえば、三井住友アセットマネジメント(SMAM)では「株主優待物の取扱いに関する基本方針」として、自社サイトで以下のように明記しています。

「SMAMでは投資信託財産における株主優待物の取扱いについて、信託銀行と以下の取決めを交し、取決めに沿った取扱いを行なっております。金券、優待券など容易に換金できるもの、または基準価額に影響する等受益者の利益のため必要と判断されるものは、換金して投資信託財産に繰り入れます。また、農産物、食品などの換金が困難な株主優待物は、信託銀行にて、受領辞退、慈善団体等への寄付等を行います。」

換金できる物は換金、それ以外は寄付などへ

 つまり、換金できるものは換金して投信の資産に組み入れ、換金が難しいものは寄付するということです。これは同社だけでなく、どの投信運用会社でも一般的な方法となっています。

 投信における株主優待の扱いを、個人投資家はどう判断すればよいのでしょうか。実際のところ、換金が難しいものがどのくらいの割合で存在しているのかはわかりませんが、株主優待の一部は投信の資産になっていません。また、換金するにしても、どこでどうやって換金するのかがわかりません。

 ほかにより適した方法がなく、金額も投信の総資産に比べて微少なのでしょうが、合理的とは言い難い部分があります。これは投信運用会社や信託銀行の取り扱いの問題ではなく、株主優待制度そのものがもつ構造的なデメリットのような気がします。